2014年3月29日土曜日

【小児科】小児用肺炎球菌ワクチンについて

小児用肺炎球菌ワクチンは、2013年度より定期接種となり、無料で接種できるようになりました。正式名称を肺炎球菌13価ワクチンと言って、いろいろな種類がある肺炎球菌の中でも乳幼児に病気を起こすことの多い13種類を予防することができます。成人用の肺炎球菌ワクチンとは別物になります。

≪肺炎球菌感染症とは≫
肺炎球菌が鼻やのどから入って発症します。子供では細菌性髄膜炎や菌血症、敗血症、重い肺炎や細菌性中耳炎などの病気を起こします。特に赤ちゃんは肺炎球菌に対する免疫がほとんどなく、肺炎球菌感染症にかかると重症化することが多くあります。また、高齢者もかかりやすい病気です。細菌性髄膜炎にかかった人の約半数は0歳児、約8割は2歳前の子供です。集団保育の子供は23倍かかりやすいです。

≪症状≫
細菌性髄膜炎になっても初期の症状は熱と不機嫌くらいで、血液検査をしてもかぜと区別できないことが多いです。その後、ぐったりする、けいれん、意識が無いなどの症状が出てきます。抗菌薬(抗生物質)が効かない耐性菌も多く治療が難しいため、予防することが重要となります。肺炎や中耳炎を起こした場合、重症となるのも特徴です。

≪合併症≫
髄膜炎にともなう合併症はたくさんあります。発達・知能・運動障害・難聴(聴力障害)などが起こることがあります。肺炎球菌による細菌性髄膜炎は、死亡率が710%、脳の後遺症の発生率が3040と、ヒブによる髄膜炎に比べて死亡と後遺症の比率が倍くらいの高さとなっています。

≪接種時期と回数≫
余市町・古平町・仁木町・積丹町にお住まいの方は、生後2ヶ月から生後60ヶ月(5歳の誕生日の前日まで)の間が定期接種の期間となっています。

接種回数は、接種をし始める年齢によって異なります。
はじめて接種する年齢が生後2ヶ月以上7ヶ月未満→接種回数4
はじめて接種する年齢が生後7ヶ月以上12ヶ月未満→接種回数3
はじめて接種する年齢が生後1歳以上2歳未満→接種回数2
はじめて接種する年齢が2歳以上5歳未満→接種回数1
接種スケジュールは以下のようになります。
1回目→生後2ヶ月になったらできるだけ早く

2回目、3回目(4回接種する方のみ)→前回の接種から4週以上あける
4回目→生後12ヶ月から15ヶ月の間

3回目(3回接種の方)→2回目から60日以上あけ、生後12ヶ月から15ヶ月の間

2回目(2回接種の方)→1回目から60日以上あける


細菌性髄膜炎になりやすいのは1歳未満の子供です。2ヶ月になったらすぐに小児用肺炎球菌ワクチンを接種しはじめ、6ヶ月までに3回打って早く初期免疫をつけることが大切です。2ヶ月から接種できるB型肝炎、ロタウイルス、ヒブなどのワクチンと同時接種も可能です。6ヶ月までに最初の3回を接種することをおすすめします。

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